「だったら早くしないとな。『姫』を助けて『姫』を起こす。それが『王子』の役割だろ?」 「……うるさい。調子に乗るな」 「またぁー、照れちゃって!」 「……」 紘哉は無言で恵一の向こう脛を蹴った。 革靴の先がクリティカルヒット。 恵一はうずくまりながら呻いた。 「――ヒロくん、そろそろ11時半だよ」 紘実に呼び掛けられ、二人は彼女の方を向いた。