ふと前を見ると、紘実が椅子に座っていた。 彼女は口角を上げ、紘哉を見つめている。 「だいぶ月が赤くなってきたよ」 「……そうか」 普通だったら月見酒でもしているだろう。 しかし、今はその皆既月食がタイムリミットとなっている。 紘哉は眉間にシワを寄せ、チョコを口に含んだ。 「ヒロくん、シア姫は生きてると思ってるの?」 不意に紘実が口を開いた。 紘哉は首を横に振る。