「シア姫……夏紀は六年前、黒蜜会のボスに誘拐された。そのボスが冬也だ」 「ん?何その話?お姉ちゃん知らないんだけど?」 「知らなくて当然。それと、別に知る必要もない」 「えー……ケチ!」 紘実はぶーっと口を尖らせる。 露骨に嫌な顔をする紘哉。 「まぁ、別にいいんだけどね」 食い付いたわりにはアッサリと引き下がる。 そして、彼女は小さくため息をついた。