「さっきは死にたくないって言ってたのに?」 「死にたくないけど……死ぬんだったら苦しまずに逝きたい」 「それはダメだよ」 彼は首を横に振った。 「死体はなるべく綺麗な方がいいでしょ?」 穏やかに笑う冬也。 思わず背筋がゾッとする。 「迷っている暇はないよ……ワトコちゃん」 眼鏡の奥の目が細くなる。 羽兎は覚悟を決め、携帯電話の通話ボタンを押した。