そして、彼は携帯電話を羽兎に手渡した。 無言で受け取る羽兎。 「電話が終わり次第、これを食べてもらう」 彼はカゴに盛ってあるリンゴを指差した。 意味が分からず、首をかしげる。 「理系なワトコちゃんなら知ってるよね? 青酸カリって空気中に置いておくと、炭化して毒性がなくなるって。 まぁ、塗ったのは数時間前だし、少し生死の境をさ迷ってもらうだろうね」 「何で?一気に刺し殺してくれたらいいのに」