そう言うと、彼女は上着のポケットから小さめの茶色い封筒を取り出した。 それを紘哉に渡す。 「狸ジジイから。何かアンタに伝えたいことがあるって」 「そうですか。わざわざありがとうございます」 「正直、アイツの頼みなんてロクな事ないし、虫酸が走るんだけど……今回は非常事態だからしょうがないわ」 「……すみません」 父親に対して万年反抗期の様なことを昔、狸翠に言われた気がする。 紘哉は頭を下げ、封筒を受け取った。