男は相変わらず妖しく笑いながら私を見てくる。 「俺の事、知ってる?」 「……え?」 優しい口調。 彼はしゃがみこみ、私に目線を合わせながらナイフに手を添える。 「冥土の土産にでも覚えておいてくれ」 「……」 「俺の名前は――三雲紘哉だ」 そう言って、男はナイフを引き抜いた。 冷たくなっていく体温。 私の意識は闇へと引きずり込まれた。