「…つか、臭い。」 捨てるつもりだった紙パックを奪われたのは どうでもよかったけど、 甘い香りが気分を悪くした。 「え、そんなひどい?」 自分で匂いを嗅ぐ奴は犬みたいで、なんか笑えた。 「女物の、香水。」 「…あぁ」 そう言った途端嫌な顔をする奴は、 あたしの幼馴染で、 ただの女たらし。 『そんな、匂いがつくのが嫌なら、”そういうこと”しなきゃいいのに。』 なんて、言えなかった。