「たかに会ったの?」

いきなり声かけられて
踏まれたカエルみたいな声がでた。
身構えながらも、ゆっくりと声のほうに目を向ける。

くすくすと笑う奴



「八代か…
びっくりしたじゃん」


暗いし独り言聞かれたしで少し混乱してる。



「今、帰りなの?」

笑いながら聞いてくる八代

「うん」

「そっか」

「八代は?」

「ちょっとね、散歩」

「そっか」


会話は続かない。

てか八代も家向かうなら途中まで一緒に帰ることになる。


ええええ…


やだなあ…

せっかく、たかちゃんと話して楽になったのに
意味なくなるじゃん

「たか…」

「え?」

「たか、どこであったの?」

「あ、コンビニ寄ったらっ
そこで…バイトしてた」

「ふうん」

「たかちゃんね、高校でも陸上やってるんだって」

「うん」

「変わってなかったよ」

「うん」

どうしていいかわかんなくて、でもなんかこの空気も気まずくて
まくしたてるようにたかちゃんのことを話題にした。

つか、八代とたかちゃん仲いいから近況なんてお互い連絡とりあってたかも…

そう考えたらひとりでテンパって恥ずかしい