やさしくしないで




10分てはやいもんだ。



駅員に定期をみせて改札口をぬける。
外に出ると、風が冷たく感じた。

昼間はあんなに暑いのに

ついたり消えたりする電灯の下でぼんやりと思った。

家まで歩いて20分

ウォークマンの電源を切ってコードを巻いて鞄にしまう。



途中でコンビニ寄ろう

暇潰しに雑誌と、お菓子と残り少ないシャー芯を買うことにした。
たまには遠回りしよう

鞄を肩にかけ直してコンビニに向かった。





歩いて5分のコンビニ

扉を開けると入店を知らせるメロディが鳴って
店員のやる気のない声がのびる。
雑誌コーナーから飲み物コーナーへ後ろをぐるっと物色して会計に立った。



「お。」

「あ、たかちゃん」

やる気のない声の主もといレジ担当は同級生の孝司だった。

「久しぶりだな」

「ねー。学校ちがうと会わないもんだね」

同じ部活だったたかちゃんは比較的仲がよかった。

彼はあたしの学校と反対の路線を使うから
会うのは3月の離任式ぶり。

「どう?学校」

「あたしはあんま変わんないよ。
そっちは?」

「俺もかなー
てか部活どうした?俺、陸上入ったけどお前は?」

「帰宅部」

「はあ?はしんのやめたの。
そのわりには帰り遅いな」

「うるさい」

「暇人。不良。」

「うるさいっ!」