ドロップ☆ガール

雲が少女の首筋をなでる。


「くすぐったいなあ」


雲をくぐり抜けると、晴れ渡った空の下。


もじゃもじゃ頭に角の生えた少年が目を腫らしている。


頬には滴がきらり、と光っている。


少女はひょいと籠から降りる。


「ありがとう」


少女がウインクをすると、鳥達は一斉に飛び立ち、何処ともなく姿を消した。


少女はつかつかと少年の前に立つ。


そして持っていた傘を大きく振りかぶった。