「…いたい」 少年は頭を抱えうずくまる。 「いつまでもべそべそしないの」 「だって」 「みんな困るよ」 「そうかな?」 「そうだよ」 少女はポケットから先程の小瓶を取り出し、赤い粒を手に取る。 「はい、特別ね」 「ありがとう」 もじゃもじゃ頭の少年に、朗らかな笑顔が戻った。