紙のない手紙

「またあんな女見つかんねぇかな…」





笹川はいやらしい笑みでタバコをくわえ、自然と口に出していた。





しかし、その笑みは暗闇の向こうの人影に気付いた瞬間に消え失せた。







「さ…さき、なのか?」








暗闇にゆらりと浮かぶ女の姿に、笹川は動揺を隠すことが出来なかった。












彼女は自分が殺した筈だったからだ。