紙のない手紙

「はぁ~あ、ったく…ついてないな」

1人の男が悪態をつきながら歩いている。







「5万もスっちまうなんてよ。やってらんねぇ……な!」







男が蹴飛ばした空き缶は人気も少なく、街灯もない暗い夜道へと、空しい音を奏でて消えていった。


笹川修平はギャンブルで有り金を使い果たして家へと帰っていた。