紙のない手紙

「復讐…?」



俺は自分の胸が激しくなるのを感じた。







「そう…死んでもなお残る怨念。それを今から晴らすのよ。」







だんだんと俺の鼓動が激しくなってくる。








「ど、どうやって?」



「それは…見てれば分かるわ。」








リンは一瞬悲しげな顔をすると、忠時にあの封筒を手渡した。








な、何なんだよ…復讐って…









俺は言い様のない不安が胸の中を埋めていくのを感じながら、リン達を眺めていた。








「それじゃ、忠時、行くわよ。」


「わかったッス!」







封筒を忠時から受け取ったリンがそう言うと、忠時はあの円の中へと飛び込んでしまった。









呆気にとられている俺を無視し、リンは忠時に続くようにあの封筒から取り出した手紙を投げ入れた。