紙のない手紙

その後、俺はリンの自転車で忠時は自分の鎌でかすがいの間へとやってきた。







道中リンと忠時は2言3言交わすだけで、俺はそんな緊張感漂う雰囲気の中でじっと息を潜めているしかなかった。









しかし、何に対してそんなにピリピリしているのか理解できないのはもどかしく、俺は次第にイライラし始めた。








「なぁ、リン。いったい何なんだよ?いい加減教えてくれよ。」








何もない白い空間に俺の声が響き、前を歩いていたリンがこちらへと振り向いた。








「……そうね、今から復讐を見届けるの。」









リンの透き通った声が同じように響いた。