紙のない手紙

「はい…申し訳ありませんが…他の死神はただいま出払っております。」







「おい、どうしたんだよ、リン。何かあったのか?」








すまなそうにしている受付嬢を横目に見ながら、俺はリンへと話しかけた。









「…はぁ……わかりました…では、呼んで下さい。」





リンは俺を無視して話を進めたようだ。











受付のお姉さんは、かしこまりました、と言うと何処かへと連絡を取り始めた。













なんだかなぁ…リンの奴…いったいなんだってんだ…










俺は妙にピリピリしているリンを後ろから眺めつつ、その場で待機していた。










すると、ロビーの奥の方から知った顔がやって来るのを見つけた。








「…あれ…忠時…?」









ちんまい死神を見間違えるはずはないので、忠時に間違いないのだが、どこか雰囲気が違う印象を受けた。