あの後、またリンの恐怖自転車を経験し、俺は街へと戻ってきた。







「情けないなぁ…いい加減慣れなさいよ。」








絶対に…無理だろ…何でチャリで宙返りするんだよ…









自転車の側でへたりこむ俺にリンが何かを差し出した。









「ハイこれ。どうせ遺書書くかどうかまだ決めてないんでしょ。だけど私にも仕事があるから…決まったら連絡しなさい。」










渡されたのは、名刺だった。










「連絡ったって、どうやって……ん?」









名刺の下に電話番号とメアドが書いてある。








「ちゃんと、使えるのよケータイも。」










リンはそう言って、流行りの携帯を手に持ち、得意気に笑った。