愛を教えてくれた人



私はどれだけ泣いただろう

人に…人に助けなんて求めても駄目なのに…頼っちゃいけないのに…



「もう大丈夫か?」

「…ん」

「よし。行くぞ」

「…帰りたくない…もう、あんな家なんて嫌だよっ…」

「誰が帰すかよ。倉庫だ。リョウも待ってるぞ」

「…ん」


ランは私の手を握って車に向かって歩き出した。車に着いて手を引いて


「乗れ」


私は黙って乗った