愛を教えてくれた人




「ラン…ランがそんな顔する必要なんかないんだよ?私ね、もう死んでるの。私、笑えないの。泣けないの…ただ私にできるのは……人形のままでいる事」

「ふざけんじゃねえ」

「ランは最初から優しかったね。熱を出した私を運んでくれたり看病してくれたり。私ねお母さんが死んでからそんな事された事なかったのっ…だからっ…嬉しかったっ」

「おい」

「だから…」

「おい!!」

「もう止めないでっ…」

「ミオっ!!」

グイッ

ランがまた邪魔をした
どうして…ランは腕を引っ張るのよ…


「いやっ離してっ!!離してよっ…」

「大丈夫だ。大丈夫」

「離してっ…うぅっ…ふえ~んっ…」


ランは泣いた私を抱き締めてくれた
ランの温かい手で背中をさすってくれた


「ランっ…」


「大丈夫だ」