「…い………お……おい!」
「ん…」
「お前大丈夫か?熱なかなか下がんねーんだけど」


誰だっけ……ああ。携帯の人か…


「大丈夫だよ…ここどこ?」

「倉庫」

「そう…あ。今何時?」


外は暗くなっていた
ランはポケットに入ってる携帯を出して時間を見てくれた


「18時07分」
「そっか…じゃ帰るね」
「お前さ…」
「ん…?」
「やっぱなんでもねー。お前名前は?俺は赤凪藍。よろしくな」


よろしくなんて…
もう逢うことなんてないのに


「高城美緒…」
「ミオか…いい名前だな」


ランはそう言って口の端をあげて笑った


「…ミオだけが好き。高城なんて大っ嫌い。いらない。私もいらない」

「おい。いらないなんか言うな」

「ふっ」

「なにがおかしい」

「奇麗事だな~って思って」

「…」

「それじゃね。さようなら」


そう言って倉庫を出た