ねぇ…〜私の奇跡〜









屋上に着くと

いちさな子供と看護師さんが
ベンチに座っていた。




私はベンチが空いて無いから




柵に手をかけて
景色を眺めてた。




私の家から
学校までが近くに見える。







明日から学校行けるかな?


大学入れるかな?


恋音と一緒ぢゃなきゃやだよ?







…ッ…ツ…





うぇーん…


シクシク…



うぇーん…



ヒッヒッ…







どうしよう。
止まらないよ〜




うぇーん…うぅ〜


ヒッヒッ…




あ〜
ようやく止まったかも…








…ぽんぽん




誰かが私の肩を叩いた。




後ろを振り向くと











尋がいた。






尋は怒っているような
心配しているような顔で
こっちを見ていた。



きっと
ぐしゃぐしゃな
私の顔を見て
怒る気も無くしたのかな…







尋 :「何でここで泣いてるの?」





心 :「ヒッ泣きたいヒッから…」





尋 :「もう、見つけちゃったし
泣きたいだけ泣いていいよ…
ただし、泣くのは今だけ。」





心 :「なんで?」




尋 :「お前はそんな弱い女ぢゃないし、恋音の前で泣いたら恋音が心配してまた熱だされたりしても困るし… それに…」




心 :「それに?」




尋 :「泣くと苦しいだろ?
呼吸も胸も…。 だから一人で
抱え込むな。恋音に言えない事なら俺が聞いてやる」




心 :「ありがと…」




そう言っていると
尋は誰かに電話した。



尋 :「あっ優也?見つかったからご安心を〜
えっ…
うん。わかった。ぢゃっ」




電話の相手は優にぃか…

心配かけちゃったな…



尋 :「心那? 昼飯までには
帰ってこいって〜」


あと30分ぐらいぢゃん…



心 :「ヒッはぁいヒッ」





尋 :「それまで、泣いていいよ
俺の肩貸すから…」



あ〜もう無理。
何で尋ってこんなに優しいの?



あー
泣けてくる〜




私は尋の肩に顔をすぼめて
30分間泣き続けた。