ねちねち言ってるけど結局何を言いたいわけ!?
 切れる寸前のあたし。
 それを察したのか実則サンは形のいい唇に笑みを浮かべる。

「言いたいことがあるの。いいかしら?」
「なに…?」
 実則サンはゆっくりと表情を変えずに言う。


「友菊クンと別れてよ。」


 その言葉にあたしは迷うこともなく、というか反射で返す。

「イヤ。」

 実則サンはわざとらしく困った顔をして溜め息をつく。

「仕方がない。いいよ、理沙。」

 は?

 そう思った瞬間、両手を掴まれた。左右に一人ずつ。
「なっ…!?」