「えー、転校生を紹介する。」

 皐月に転校生のことを聞いた次の日、転校生は来た。
 どこにでもいそうな中年の担任はドアの外に手招きをした。

 入ってきたのは…。


 クラスがざわつく。


「実則 京香サンと実則 京也クンだ。わかると思うが双子だ。軽く自己紹介してくれ。」
 担任がそう言うと、2人は顔を合わせ頷き合う。

 最初に喋りだしたのは実則クンの方。
「京也です。」
 そこで言葉を切って、少し迷ってから、再びしゃべりだす。
「――――…京香とは二卵性だからあまり似てませんが、よろしく。」
 二卵性はあまり関係ない気がするけど…。

 次は実則サン。
「京香です。父の仕事の関係でこっちに来ました。みんなと早く仲良くなりたいので、たくさん話しかけてもらえると嬉しいです。」
 ニッコリと笑う実則サン。

 これはこれは…。