「ねぇ、聞いた?」
「何を…。」

 突然そんなことを言われてもわからんわ。

 内心、そんなことを皐月にツッコミながらも、首を傾げる。


「転校生が来ること。」


「…てんこうせい…」
「そう。」
「その人がどうしたの?」

 わざわざ皐月があたしに話題を振ってきたのだから、何かあるのだろうけど、いまいちよくわからない。

「うちのクラスなんだって。」
「へぇ。女?男?」

 あたしの問いに皐月はニヤリと笑った。


「どっちも。」