「わー、とうとうヤったか!!」

 月曜日の朝、皐月に会った瞬間、そう言われた。

「へっ!?なんでわかるの!?」
 皐月は自分の首筋をとんとんと突きながらニヤニヤと笑う。


「キスマーク、ついてるから。」


「う、そ!?」

 そういえば、首筋をえらく吸ったり噛んだりしてるな、と思ってたけど!!

 あの野郎!

 教室で吉久クンと喋っている飛鳥を睨む。
 気づいてないみたいだけど!
 ものすごく恥ずかしいんですけど!!

「まぁ、友菊としてはつけときたいでしょ。」
「…なんで。」

「そりゃあ、カノジョが美人だから。」

「…違うよ。美人じゃないし。」
「それって、結局虫よけだよ?」
「虫よけ?」
「つまり男子よけ。」

 皐月はそう言うと、飛鳥の方をパッと見る。

「ねぇー、友菊ぅ?」