「…怖い?」

 低くて、かすれてて、優しくて、甘い声が耳元で聞こえる。


「…わかんない。…初めてだから、何するかよくわかんない。けど、飛鳥だったらいいの。」
 そんな矛盾が、あたしを混乱させる。
「…そう。」
 飛鳥は呟き、あたしの首筋にキスをする。
「ッ」
 強く吸われ、ちくっとした。

「俺もよくわかんないんだ。」
「…飛鳥も…?」
「何回もヤったことあるけどさ、どいつも本当に好きじゃない奴ばっかだし、求められたからシただけ。」
「……。」
「だから、楓はどうしたらいいかわかんない。好きだし、そりゃぁシたいとも思うよ?」
「…うん。」

「でもさ、楓がいやがることは一番したくない。」

 だからさ、わかんないんだ。
 飛鳥は優しく呟く。