キミが恋した時。


「で、どうしたの?楓。」

 ハッと飛鳥の声で我に帰る。
「いや、ね。吉久クンが行ったら?って。」
「理月が…?うつしたらどーすんだよ…。」

「大丈夫。あんまりうつんないから。」

「そういう問題かよ…。ま、上がれよ。」
「うん。」

 飛鳥が先に歩きだす。
 が、5歩くらい行くとピタッと止まった。

「飛鳥?」

 飛鳥はクルッと振り向き、あたしの方を向く。
 そして、あたしを壁に押し付けた。

「男の部屋に来るってどういうことかわかってる?」