キミが恋した時。


「あー、…」

 飛鳥はガシガシと頭をかく。
 その間に女の人はあたしを家の中に押し込んだ。

「ちょっと、待って。こっちのが先だわ。」

 そう言って、飛鳥はあたしの前に立つ。


「なーんか、勘違いしてるっぽいね、楓。」
「…何も言ってないよ。」
 何も言ってないのに、分かってくれる飛鳥はやっぱりすごい。


「姉貴だから、こいつ。」


 親指で、後ろにいる女の人を指す飛鳥。

「え…」
「初めましてー、えーと…」
 ニコッと女の人が笑う。

 あ、笑うと目元が飛鳥そっくり。