キミが恋した時。


 放課後。

「あ、榊原チャン。やっぱ、行くんだ?」
 さっさとメモを片手に教室を出ようとしたあたしに吉久クンがそういった。
「うん。」
 心配だし。

「襲われるなよー」

「…飛鳥はそんなことしません!!」
 ……多分。
「そ?ま、いってらっしゃーい。」

 ヒラヒラと手を振ってくれた、いらないこと言いの吉久クンを無視してさたしは教室を出た。