「な、んでそれを…」

 楓は視線をさまよわせ、呟く。


「里乃チャンと、会った。」
「…里乃と…?」
「吉久クンが、教えてくれて。で、里乃チャンが会いたがってるって。」

 理月、お前…。

「里乃チャンが、『お姉ちゃんは飛鳥クンがそんなんはイヤだと思う。』て。」
「……。」
「『お姉ちゃんのこと、なにもわかってない』て。」


「あたしは、里奈サンのことは知らないし、わからないけど、もし幼馴染がそんなことを自分のせいで思っているんだったら、イヤだと思う。」

 楓は俺の目をしっかりと見て言う。