唇が離れ、楓は真っ赤にいなりながら、俺を見上げた。


「もし、もしも。今、あたし以外の子、好きになった子のこととかを思い出したんだったら、別れよう。でも、今のキスの間、あたあしのことしか考えてなかったんだったら、」

 震える声。

 あぁ、もうわかるよ、次の言葉は。


「あたしと、別れないで。」


 畜生。やられた。
 考えられるか、お前以外の奴のことなんか。

「でも…、」


「わかってる。自分が許せないんでしょう?」