あたしをブスだと言って笑う人達。

 無様だと指差す人達。


 だけど、

「そんなことない。」

 友菊クンはあっさりそう言った。

 否、そう言ってくれた。

「誰もそんなこと思ってない。」
 友菊クンはあたしの顎を掴み、上を向かせた。
 さっき、女子に掴まれたのとは違う、優しくてなんだか甘い掴み方。

「可愛いじゃん、榊原サン。」

 いつのまにか、あたしの目からは涙がこぼれていた。