キミが恋した時。


【飛鳥side】

 そろそろか…。

 腕にある時計を見て、俺は携帯から顔を上げた。
 …何で俺は携帯があるのに、腕時計を見たんだろう…。まぁ、いいや。

 遅刻するようなタイプには見えんからなぁ。


 待つのは楓。少し早くついた俺は待ち合わせ場所の駅でのんびりと待っている。


「飛鳥っ!」

 ぼーっと待っていた俺にかけられた声。もちろん楓の。

「よ。」
「おはよ。待った?」
「いいや。」

 楓をまじまじと見る。