一つしかない出口に立っているのは、背が高い男子。

「…?」
 同じクラスの男子だった。
 いつも皆の中心にいる、明るくてカッコイイ男子。

「だから、どういうこと?」
 おたしを静かに見下ろしながら再度呟く。
「…別に…」

 ふいっとあたしは視線をそらす。
 名前は、友菊 飛鳥(ともぎく あすか)。話したこともない人。
「別にって、」
「いいの。」

 だって、あたしにコレをする子達はこの人の取り巻き。

「よくないだろ。」
 少し焦った様に友菊クンは言った。
「いいの。あたしが悪いから。」

「なんで、そんなコトがわかるんだ?」
 優しく、問い詰める様な視線を正面から受け止めれず、顔を手で覆う。