『結局言いたいことは二つ。』

 舞台にかけ上がる。
 楓は俺を真っ直ぐ見て、最高の笑顔を作った。

『あたしは――――…ッ!?』


 マイク越しなんかでは聞きたくない。
 この会場にいる奴等に聞かせたくない。


 俺は楓をきつく抱きしめる。
 好きで、
 大好きで、
 愛おしい、

 そんな人を。


 楓も俺の背中に手を回し、耳元に口を寄せて囁いた。



「あたしは、飛鳥のことが大好きなの。だから、あたしともう一度、付き合って?」


「俺は愛してるから。」



       [了]