必死に走る。 楓は淡く微笑みながら言葉を紡ぐ。 『ある人があたしが知らない所であたしを助けてくれてました。それについて一言。助けてなんて言ってないし、守ってもらう必要なんてありません。』 会場に笑いが起こる。 俺は苦笑い。 『第一、貴方と別れないために頑張ってたのにふざけないでくれる?つまりね、あたしは飛鳥と一緒にいたいの。そのためならどんな努力だってする。』 会場が楓の言葉に飲まれる。 それほど力がある言葉だった。