結果が出る。
勿論、俺も楓に入れた。
『さて、結果がでました!』
会場、つまり体育館の空気が緊張している。
『今年の「クイーン」は…、
榊原 楓サンです!!』
力がホッと抜けた。
勝ったんだ、楓が。
この学校で一番。
『榊原サンでは、何か言葉を。』
司会者にマイクを渡された楓は信じられないという顔をしながらも前へ一歩でた。
『あたしに票を入れてくれた方、ありがとうございます。あと、ここからは私情になっちゃうんで聞きたくない人はごめんなさい。』
まさか、ここで言うつもりか…!?
俺はダッと駆け出した。
一番後ろにいたから一番前の舞台はかなり遠いし、人を掻き分けていかないといけない。