一瞬で目が覚める。
 手紙には見慣れた小さいけど綺麗な字が並んでいた。


『久しぶり。あたしと別れた理由を実則サンに教えられました。ありがとう。嬉しかった。最後に言われた言葉が嘘だということを信じて手紙を書きました。明後日、つまり文化祭2日目の最終日に行われる「クイーン決定戦」に出ます。その時、あたしが「クイーン」をとれたら、あたしの言葉を聞いてくださいね。』


 びっしりと書かれた楓の字。

 あのふざけた転校生はさらにふざけたことをしてくれた。
 楓と別れて何もしてこなくなったと思ったら…。

 でも、楓は俺を再び振り向かせるという約束を破ったりしない。
 まるで最後のチャンスだというかのような俺自身に対する宣戦布告。


 勿論、いつでもお前の言葉は聞くよ、楓。