【飛鳥side】

 あっという間に文化祭前日。
 欠伸をしながら下駄箱に向かう。靴とスリッパを入れ替えようとしたら、何かが入ってることに気がついた。

 楓と別れてから女子に告られることが増えた。
 というか、元に戻った。全部断ってるけど。

 だから今日入ってる手紙のような白い紙もどっかに来てください、なんて書いてあるんだろうなー、とか軽い気持ちで見た。

「…あ?」

 手紙のいや、ただのメモ紙の最後に目に入った名前は、榊原 楓。

 楓…?
 どういうことだ…。

 楓と別れて2ヶ月。一切接触はしかったし、されなかった。
 なのにここに来て…。