【楓side】

「ごめん、もう一度言ってくれない?」
 皐月が信じられないという顔でそういった。
「だからぁ、別れた。」
 努めて明るく。
 じゃないと泣いてしまいそう。

「なんでよっ!?」

 皐月は勢いよく立ち上がり机をバンバン叩く。

 なんでと言われてもねぇ…。

「飽きたって言われた。」

 皐月は物凄い形相で飛鳥がいる方を振り返る。

「あいつッ、結局楓も同じだったってこと!?」

 周りから見ればそう見えるんだろうな。

 でも当たってるかも。
 現にあたしは捨てられたようなもんだし。