夏の太陽が僕の体を照らす。
まだ朝の8時だっていうのに、相当な暑さだ。

「ったく、暑ィな。」

額にかいた汗を手で拭き取った

「よっお早う」

後ろから現れたのは、友達の牧田。
いつもたいていコイツと学校に行っている

「それで、昨日のテレビ見たか??」

いつも会話はこんな感じ…。
日常のことしか話さない。


学校に着き、いつも通り、朝礼が始まった。
今日は7月1日だから、体育館で全校生徒が集まった。
そう…いつも通りになるはずだった。


だが違った。
朝礼が終わりにさしかかったころ、急に明りが消えたのだ


「何だ??」

生徒の笑い声が聞こえた。
だが次の瞬間、1人の生徒の悲鳴が聞こえた
その声からたっぷり5秒ほど、体育館は静まった

「早く、早く明りを点けろ!!」

バチっという音を立ててステージの明かりがついた。
そこには謎の男が立っていた。

「やぁ、ごきげんよう」

その男は、1人の女子生徒を空中に釣り上げていた。
まるで何か、魔法を使っているかのように…。
そして僕は目を疑った。

「紗季!!」

僕よりもさきに声をあげたのは、隣に居た、牧田だった。

「フン、お前か??」

男は次の瞬間、ステージから姿を消した。

「こいつがか!?」

全然わからなかった。
さっきの男は何らかの方法で、こっちに来て、
僕の横の牧田の胸倉をつかんでいた。


「え…。」


「お前は一条夏輝か!?」

牧田はチラッとぼくの方を見た。

それですべてを察したかのように、男は僕のほうを見た。


「見つけたぜ。一条夏輝。」