「──んっ…」

なんとなく目が覚めた

どうやらいつの間か、眠ってしまっていたらしい

「スー…スー…」

さっきとは打って変わって、気持ちよさそうに寝ている、ナルオ

額に手を置くと、熱は下がっている

「ふぅ、良かった」

彼のふわふわの髪の毛を撫でる

みんなのアイドルな、彼

けど、こんなうちを好きやって言ってくれた

可愛い人とか、綺麗な人、芸能界にいっぱい居らはるけど、うちを選んでくれた

「──…ありがとうな
うちも、好き…」

練習がてら言ってみたんに、突如開く彼の二つの瞳

えっ─!?何で─!?

「それ…ホンマ…??」

「あわっ、わ、ねっ、寝てたんちゃうん…!?」

「頭撫で撫でされたら、目ぇ覚めた
…それより、さっきのホンマなん??」

そう言って起き上がり、真剣な眼差しでうちを見下ろしてきた

そんな目で見られたら恥ずかしくて、何度も頷くしか出来ない