うちは、彼の腕から離れて、向き合う

「好きな人は──います…
せやから、俊亮さんとお付き合いは出来ません…
ごめんなさい…!!」

深く深く、足に頭が付くんちゃうかってくらい頭を下げた

こんなええ人を、振ってしまう罪悪感…

けど、恋愛というもんは、そうなってまうねんな…

やから、この人に、こんなええ人に、うちなんかよりも、ええ人と巡り会える事を強く願う

「驪眞…
最後に、俺のお願い聞いてくれる…??」

「はい…」

それで、少しでも俊亮さんに償いが出来るなら…

「ぎゅって、抱きしめて」

うちはコクンと頷き、彼の背中に腕を回した

すると、彼は耳元で小声で話し出した

「すぐに諦めるんは無理やから、俺に時間ちょうだい…」

あぁ、何でこの人は、こんなに優しいんやろ…

「うんっ…」

アカン…泣くわ…

泣きたいん、俊亮さんの方やんに…

ホンマ、振ってしまってごめんなさい、俊亮さん…

こんなうちなんかより、もっとええ人に逢って下さい

好きになってくれて、ありがとう──…