真っ赤な顔のまま、そんなことを考えてたあたしの右手が、急にぎゅっと握られた。


びっくりして顔を上げて手を見ると、天音くんの左手があたしの右手に絡んでいた。




元気になったからなのか、昨日までの熱はなく、前の冷たい手になっていた。




「大丈夫だよ。明日からは、俺は笑花と噂だよ?」


天音くんはちょっと強くあたしの手を握り直して、続けた。



「笑花?
俺と付き合ってください。」




天音くんを好きになってから、ずっと憧れていた言葉に、あたしはうれしさから泣きそうになった。



「…はい…っ!」




あたしは恥ずかしそうに笑う天音くんの瞳を見ながら、笑顔ではっきり伝え、天音くんの手を握り返した。