天音くんは

「笑花、なんで泣くの?」

って照れくさそうに笑って聞きいてくる。



「うぅー…」

でも、あたしは何も答えられなくて。


ベッドの軋む音がしたと思ったら…。


そんなあたしを天音くんの香りがぎゅっと抱きしめてくれた。



「泣かないで、笑花?」


優しく頭をなでてくれるから、また涙が溢れてしまう。



「笑花?
どうして泣いてるの?」



あの夜も、聞かれたのに答えられなかった質問…。


今なら、言える気がする……。




「…あたし…、天音くんのことが好きだから…」




あたしは顔を、天音くんの胸で隠しながら

小さな声でつぶやいた―――。