先生が好きなのに、キスは本気…? あぁ、そっか…。 「天音くんは… 好きな人以外とも…、 …キス… できちゃうんだね…。」 おどけたフリをして言った。 自分で言って、虚しくなっちゃう…。 涙が出そうなことを悟られないように、あたしは下を向いた。 「…俺は、笑花を好きでしょ?」 え…? 慌てて上げたあたしの目線と、天音くんの真っ直ぐな目線が、絡んだ――。 「俺は、笑花が好きだよ?」 悲しくて溜めた涙が、嬉しくて頬を伝った。