「笑花…、肩の手…痛いよ?」
あ…っ。
あたしの手には、思わず力が入ってしまっていた。
「…ご…、ごめんなさい…」
恥ずかしさで顔を赤くしたあたしを見て、天音くんはクスクス笑う。
慌てて手を離すと、天音くんの熱っぽい手はあたしの頬っぺたに触れた…。
「…笑花、…泣いてるよ?」
力がない笑顔をあたしに向けて、天音くんは言った。
だって、心配したんだもん…。
もう目を覚まさないんじゃないかって、最悪な想像までした。
いなくなったら、どうしようって思ったの…。
その緊張がほぐれたのか、あたしは涙がポロポロと溢れていた……。
「よいしょ…」と辛そうに上半身を起こした天音くんは、あたしが泣き止むまで優しく頭をなでてくれた。

