あたしはあの日から、ご飯も食べたしちゃんと寝た。

もう、具合を悪くして保健室には行きたくなかったから…。



そしてあたしは“天音くんとは関わらない”そう決めた…。

授業中も。
休み時間も。

どうしたらいいかなんて分からなかったけど、あたしはとにかく天音くんを避け続けた……。


1ヶ月だけの席で良かったな、ってその時初めて思った。




亜美はそのことを話すと『笑花の決めたことなら』って少し悲しそうに笑ってくれた。




――ただ、あたしは…

モノクロの世界にいた――。

……あの日から、ずっと……。


恋をしてキラキラ輝いていたはずの世界は、真っ黒と真っ白な世界に一変した…。



天音くんを思い出せるから雨を好きになったのに…。

天音くんを思い出しちゃうから雨を嫌いになった……。



“強くならなきゃ”って思ったのに…。

まだ“弱い自分”に負けそうになる。


最後のキスが、今でもあたしの中に残っているから……。