でも、やっぱり神様はあたしにいじわるで―――。


鈍くさいあたしなりに急いで掃除を終わらせたのに、やっぱり間に合わなかった…。


「うぅー…」

あたしは昇降口から、ザァーッと降る雨を涙目でにらんだ。


「…なんで…?」


間抜けな自分にため息が零れる。



どうやって帰ろかなぁ。

学校から家までは40分かかっちゃう。

これじゃ、やっぱりずぶ濡れだよ…。



もうっ!
だから…

「雨なんて大っきらいっ!
……神様のいじわるっ!!」


俯いきながら、あたしは思わず神様に向かって叫ぶ。




「じゃあ俺の傘、どーぞ?」


低いのによく響くきれいな声があたしの鼓膜を震わせた。

そしてあたしの左側からはビニール傘が差し出されていた。